どこの国の法律が適用されるか

親権、監護権に争いが生じた場合

法の適用に関する通則法32条により、以下のように定められています。

 

① 子の本国法が父母の一方の本国法と同一の場合

子の本国法

(例)父:アメリカ国籍
母:日本国籍
子:日本国籍のとき

⇒日本の法律が適用されます

 

② その他の場合

子の常居所地法

(例)父:日本国籍
母:フランス国籍
子:アメリカ国籍
子の常居所地:日本

⇒日本の法律が適用されます

 

養育費等の請求の場合

「扶養義務の準拠法に関する法律」により、以下のように定められています。

 

① 子どもの常居所地法

子どもの常居所地の法律が養育費の支払いを認めていれば、請求できます。

 

② 当事者の共通本国法

子どもの常居所地の法律では養育費が受けることができない場合でも、当事者の共通本国法が養育費の支払いを認めていれば、請求できます。

 

③ 日本法

①②で養育費を受けることができない場合でも、日本法(民法)が養育費の支払いを認める場合、請求できます。
以上から、国際離婚の場合、日本の基準を上回る養育費を請求できる可能性があります。

 

 

 

国際離婚における子どもの問題はこちらもご覧下さい

●国際離婚と子 ●どこの国の法律が適用されるか
●どこで手続ができるか ●ハーグ条約
●子どもの国籍について ●離婚後の子どもの姓
●国際離婚後の面会交流