弁護士 本村安宏
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国際離婚問題に対するスタンス
「国際離婚」というと、外国籍の方を配偶者に持つ方を対象にしていると考えるかもしれませんが、日本人同士で結婚したものの相手が海外に居住している(もしくは、自分は海外在住だが相手が日本に居住している)、といった場合も国際離婚の問題に含まれてきます。
国際離婚の問題を考える場合は、準拠法の問題、すなわち、どちらの国の法律を適用するかの問題があります。
この点については、配偶者が外国籍の場合でも、意外と日本法が適用されるケースであることが多かったりします。
ただ、注意が必要なのは、日本では当たり前のことが海外の考え方ではまったく通用しないという点です。
日本では、不貞があれば離婚事由になりますし、慰謝料も発生します。養育費は双方の収入によってある程度画一的に決められます。
しかし、海外の場合、文化的背景の違いから、不貞自体が離婚事由とはされないことがあったり、どれだけお子さんの監護に関わったかによって養育費が変動したりする(収入だけでは決まらない。)といったことがあります。
特にお子さんとの交流においては、男女で完全に平等であることを前提に考えることが多いです。
日本では、月に1回、宿泊なしの面会交流が裁判所のひとつの基準と言われたりしますが、このような態様は海外では到底受け入れられません。
そのため、日本法を前提とした考え方、言葉を変えると「日本人的な考え方」はわきに置かなければ円満な解決は難しいのが国際離婚の特色です。
さらに気をつけるべきは、お子さんと一緒に国境を越えて別居を試みる場合です。
世界の多くの国がハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)に批准しています。
批准国についてはこちらをご覧ください。
日本もハーグ条約に批准しており、国内ではハーグ条約実施法(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律)という形で法律が定められています。
お子さんを国外に連れていく形で別居をした場合、お子さんをもとの国に返還することがハーグ条約実施法の原則となっています。
もちろん、返還拒否事由も法律で定められていますが、その立証は容易ではありません。
お子さんと一緒に国境を越えて別居を試みようとお考えの方は、帰国の前に必ず現地の弁護士と日本の弁護士に相談する必要があります。
ハーグ条約実施法に基づく子の返還申立てがなされた場合、6週間という非常に短い期間のなかで一定の結論を出さなければなりません。
自分の主張が法的に認められるのかどうか、仮に認められないとしても最大限有利な条件で合意するためにはどうすればよいのか、そのときそのときの判断が重要になります。
日本と海外の考え方の違いは、法律上の違いというだけで説明のつくものではありません。
国際離婚の問題を考える際には、文化的背景も踏まえて考えるようにしています。
また、日本での離婚よりも乗り越えないといけない問題が多くあります。その点は依頼者のみなさんとしっかりお話をしながら一緒に乗り越えていこうという点を意識しています。
注力分野
●個人分野 離婚問題
●企業分野 IT関連分野・労務問題
経歴
●久留米大学附設高等学校 卒業
●九州大学法学部 卒業
●九州大学法科大学院 卒業
●最高裁判所 司法修習修了
●デイライト法律事務所 入所
所属
●福岡県弁護士会
資格等
●ITパスポート試験 合格
●3級ファイナンシャルプランニング技能士
執筆
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